味の素社VP栗原秀文氏と明かす4A挑戦の舞台裏/対談1
【羽生結弦】追憶、北京五輪「集大成」味の素社VP栗原秀文氏と明かす4A挑戦の舞台裏/対談1 #羽生結弦https://t.co/9euXSdLlNL
— 日刊スポーツ (@nikkansports) November 7, 2024
羽生は3度のオリンピックを、孤高の道を、栄養学や心身を磨く探究とともに歩んできた。14年ソチ大会でアジア男子初の金。18年平昌で世界66年ぶりの2連覇。22年北京で「相愛」の五輪史に4回転半の初認定を刻んだ。伴走してきたのは、栗原ら味の素社VPの面々だった。
栗原 ある方から、栄養面、体づくり、健康に関して少し悩んでいるアスリートがいると。そこで紹介されたのが羽生選手でした。
羽生 そうです。ソチ前の…前か。17歳でしたね。
12年4月末。仙台からカナダ・トロントへ拠点を移した後の、夏だった。当時、全く「食」には興味がない高校2年生だった。
栗原 最初に「僕、食べるの好きじゃないですから」と言われたんですよね。
羽生 もともと胃が強くないので、食べられる時と食べられない時があって。まさにカナダへ行った直後で、現地の食材や料理が“合う、合わない”もあった時でした。その中で、まず食べやすさから入って、次は栄養の取り方、タイミングと考えていって。食べられない時は補食を入れたり、たくさん教えてもらいました。僕らの競技は(ジャンプを跳ぶため)制限が必要で、体が重くなるのが怖いんです。食事に対して、栄養(摂取)よりもダイエットというイメージが強くありました。
味の素は、候補を含む日本代表選手たちを「食とアミノ酸」で03年からサポート。五輪は、翌04年のアテネ大会から今夏のパリ大会で22周年を迎えた。羽生は冬季フィギュア界で「専属」の支援を10年超、受けている。
栗原 ソチまでは基本的に心身の「健康」だけにフォーカスして「バランスよく、毎日3食しっかり食べよう」というステップから踏みましたね。特にフィギュアスケートは演技でジャッジや観客に感情、世界観を表現する競技。絶対に心も健康でなければいけなかったので。
羽生 平昌五輪に向けては「体重」と「活動量」がテーマでした。いつぐらいから始めたんでしたっけ?
栗原 ソチの2年後からですね。体重、体組成を管理すると同時に、日々のトレーニング量と強度を「ロード(負荷)」として数値化し、経時的に状態の変化を見ていきながら、パフォーマンスとすり合わせしていきました。
対談2
【羽生結弦】前人未到の4回転半ジャンプ成功の夢へ…カギは「腱反射」糖質制限や加圧も/対談2 https://t.co/bsb8IG0Pn9
— ゆみお🪽 (@taboyumi) November 7, 2024
羽生 栄養管理的にも(平昌五輪までの取り組みが)ベースになりました。(2連覇した後の)23、24歳ぐらいから「体が重たいのは嫌かも」と僕が言い始めて。マラソンみたいに、常時、内臓を揺さぶられ続けるダメージが、より大きくかかる競技でもあったので(胃に食事が残らないよう)内臓ケアもしたり。4回転半を目指すに当たって、ベストパフォーマンスを出せていた頃の体重がいいのか、それとも筋力をつけた方がいいのか、議論もしながら。
栗原 ハムストリングス(太もも裏)を鍛えるためのスクワットとか、北京五輪の前、かなり脚を鍛えたことが、ひと目で分かったので、驚いたら「分かる? だけど…」とおっしゃっていましたね。そして「筋力で跳ぶレベルは、いい感じ。あとは腱(けん)」と言ってくれたんです。まさに自分も4Aを跳ぶカギは「腱反射じゃないか」と言おうと思っていた時で。同じことを考えていたんだって。
羽生 世界のトレンド的にも、研究がどんどん進んで、科学的にも証明されつつあるものがありましたから。
「腱」は筋肉と骨をつないで“ばね”のように振る舞い、弾性エネルギーを貯蔵・再利用できる。その反射を使って4回転半を跳ぼうと、アミノ酸を北京五輪に向けて積極的に摂取し、強化に努めていた。体内メカニズムの解明に余念がない羽生と、栗原の提案が調和した瞬間の1つだった。
羽生は「栗さんに洗脳されています」と笑いながら「やっぱり僕自身『どうやったらうまくなるか』に、かなり貪欲なんですよ。どうしても自分の知識だけでは足りない。だから栗原さんに聞いたし、自分でも調べたし。それを共有してブラッシュアップしましたね」と振り返る。
北京五輪シーズンが幕を開ける前の21年6月1日には、トレーナーもまじえてオンライン会議を行った。全ては4A成功のために。
栗原 腱反射から、解糖系の激しいトレーニング、有酸素系の話まで。腱を健康にする新たなアミノ酸も開発したので「きっと4Aにプラスになるだろう」という仮説を持って、トレーニングを設計させてもらったんです。
羽生 インターバルトレーニング、ローカーボ(糖質制限)から加圧、心拍数まで、瞬発系か持久系か、もありました。もう「健康」がどうこうではなく、土台ができ上がって、その上に成り立っていました。(北京五輪は)集大成でしたね。
反響の声
出勤したら同僚がくれましたw
ニッカ〇だけど、1面です✨️
栗原さんとの対談❣️
羽生くんって、本当にちゃんとしたお仕事なら真摯に対応するんだなあって🥲
(後で消すかも) pic.twitter.com/rVSiz5dBjq— ❄️snown.🫧feat.olaf❄️ (@snown_4A) November 7, 2024
媒体に思うことあるんだけど正直めちゃくちゃいい記事だった😭あのBSインタを書き起こし補足し一般の方にも分かりやすく書かれたリスペクト溢れる記事だった。当時そんなふうに思っていたんだ…とか初めて知るお話もあった。そして2人の絆が尊かった🥹
てかBSで全部流して欲しかったよ~— あいきょ-Echoes of Life- (@ailoveyuzu82) November 7, 2024
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